震災後、人々の「助け合い」の精神への注目も高まっているが、ベストセラー『がんばらない』の著者で諏訪中央病院名誉院長の鎌田實氏が、相手を幸せにするホルモン、オキシトシンについて解説する。
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オキシトシンという幸せホルモンがある。自分を幸せにするセロトニンに対し、こちらは相手を幸せにするホルモンと呼ばれている。
昔から、オキシトシンは、お母さんが赤ちゃんにおっぱいを飲ませるときに出てくるホルモンだと説明されてきた。赤ちゃんがおっぱいを吸うとお母さんの脳内ホルモン、オキシトシンがたくさん分泌される。
オキシトシンが分泌されると乳腺からたくさんおっぱいが出てくるというメカニズムで、お母さんも赤ちゃんもいい循環が始まるのだ。またオキシトシンが分泌されることで、子宮も収縮して母体回復に大きく貢献するのである。
このオキシトシンは、出産・授乳期の女性にしか分泌されないと考えられていたのだが、男性、そして中高年の男女にも分泌され、大切な働きをしていることがわかってきた。体の炎症を抑えたり、胃腸の働きを活発にする。さらにはストレスの緩和にもいいという。
そして、赤ちゃんだけではなく、他の誰かに何かをしてあげたときにも分泌されるのだという。たとえば、あなたが見知らぬお年寄りの荷物を持ってあげたとしよう。そうすると、親切にされたお年寄りが喜んでくれるばかりでなく、なぜか親切にしたあなたのほうも気分が昂揚して、体調も良くなった経験はないだろうか。
分泌には、スキンシップも大事だという。オキシトシンは信頼関係を深めるホルモンでもあり、握手したり、ハグしたり…。セロトニンと同じ必須アミノ酸からできているが、口から食物を摂取して分泌させるというよりは、行動によって分泌が促されるのである。
※週刊ポスト2012年2月3日号
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