マドンナ、ガガの「ボーン・ディス・ウェイ」は私の興味深い焼き直し

レディー・ガガのスマッシュ・ヒットにしてアルバムのタイトル・トラック「ボーン・ディス・ウェイ」。昨年4月にリリースされて以来、この曲は世界中でガンガンかかりまくって、街中でも何度耳にしたことか分からないくらいにヘビー・ローテーションされている。ピンと来ない人でも曲を聴けば「あー、これね！」となること間違い無しだ。でもどうやら往年のマドンナ・ファンたちも別の意味でピンと来たらしい。

マドンナの1989年のヒット「エクスプレス・ユア・セルフ」とソックリ！？とパクリ疑惑がファン達の間で昨年にわかに巻き起こったのである。これに対してマドンナのマネジメント・サイドは、「レディー・ガガの曲に対してリスペクトと全面的支持」を表明したが、本人からは特にコメントは無かったのである。しかし、先日＜Newsweek＞でのインタビューで、ついにマドンナからこの件について口を開いた。すると「アレを聴いた時、私の曲を焼き直すにはとてもいい方法だと思ったわ。コード進行の類似にも気付いたし…とにかく興味深いと思った」と発言。さらに＜ABC＞のインタビューでも「彼女が私のやってきたことをリスペクトしていることはよく分かるし、彼女を見ると不思議な気持ちになるしとても嬉しくも思うわ」。でも本当の所は…。「まあもちろん曲が似ているなとは思ったわ。“還元的”というか」。還元的、という言葉が褒め言葉かどうかは「アナタが考えて」とのことだ。

元祖ポップス女王、敵意は無さそうだがやはり女王は女王、「そんな簡単には座は譲らないわよ」とばかりに上から目線は崩さない。ガガはこの論争が巻き起こった際には、「あの曲と似ている部分はコード進行だけよ。しかも50年間ディスコ・ミュージックでは散々使われてきたもの。私が初めてそれをチャートに送り込んだからと言って、私が盗作者だということにはならないわ。私がスマートだったってこと。そんなことを私に聞くなんて馬鹿げてるわ」といささか不快を露にしたが、マドンナは至って余裕しゃくしゃく。でもこればかりは仕方が無い。パクリかどうか以前に相手はマドンナだ。

マドンナの待望の新作は『M.D.N.A.』と冠されるとのニュースも先日舞い込んできたが、これに対しても麻薬反対団体などから「不謹慎」などと主張される（あの有名な覚せい剤を想起させる）など、早速話題を振りまいている。マドンナ、話題もセンセーションもまだまだ新世代へ明け渡す気は無さそうだ。

Photo：(C) Joe White / Globe Photos / Zeta Image

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