カナダ滞在中、運動不足の解消にダンスの体験レッスンに参加した。体を動かせれば何でも良かったのだが、受付女性に「とにかくこれ!」と「バーレスク」を薦められた。ヒップホップ、サルサ、バレーなどダンス好きが集まるダンス教室の中でも「セクシー」で継続者が多いというダンス「バーレスク」であるが、日本人の私には少々過激ではないか……。露出の多い衣装に身をまとい、女性の魅力をふんだんに魅せるセクシーダンスで、映画「バーレスク」や「シカゴ」の中で踊られているようなダンスといえば皆さんも想像がつくだろうか。
生徒らのコスチュームは、網タイツにハイヒール、ブーツ、ショートパンツにレオタードと、踊る前からセクシーだ。「髪の毛は振り乱すもの!」といった感じで邪魔になるからと束ねる様子もないし、一見、動きにくそうな服装。「そんな格好でちゃんと踊れるのだろうか……」という疑問が沸き起こる。もちろん私はジャージとTシャツで参加したが、それも後で後悔することとなった。
先生はダンススタジオの中を皮ブーツで颯爽と登場したが、ヒールがあることで体の中心にポジションを整え怪我をしないように腹筋に力を入れる方法をしっかり指導してくれるので、逆に体幹が鍛えられるという。「セクシー」という言葉は人それぞれ解釈が違うが、ヒールを履き体のラインが出る服を着て「女性」を意識するという行為も、バーレスクダンスをはじめる大事な要素なのだとか。ダボッっとしたジャージではいけない。
セクシーだからといって何も激しい動きのダンスばかりではなく、柔軟やポージング、しなやかな足の動き、視線や髪の振り乱し方、ウィンクまでが見事に計算されていて、見ているだけでもうっとりしてしまう構成である。通常の腹筋や腕立てなどエクササイズの要素に合わせて、何だか恥ずかしくなってくるようなムチを打つセクシーなポーズもあるのだが、なりふり構わず踊るのではなく、1ポーズずつ鏡で自分のスタイルを確認しながら、女性らしさや表情を磨きあげていくのだ。数人ずつに分かれて皆にその動きを披露したりもするが、恥ずかしがる様子の人は1人としていない。こんなポーズ取ったことないというような大胆なポーズを堂々と決める生徒たちを見ていると格好が良く見とれてしまうほど。
イスや帽子、手袋などの小物も使い、曲に合わせてダンスが終わると生徒たちから自然に歓喜の声と拍手が沸き起こるほど盛り上がり、活気にあふれるバーレスククラス。受講生らはエクササイズ効果はもちろん、「体のラインを意識するようになった」「自分を解放できる心地よさにハマってしまった」「新たな自分を見つけた」というが、何よりも自然に女性らしく振舞えるようになって周りから褒められるという意見が多かった。それに生徒たちも最初からノリノリでセクシーポーズが取れた訳ではないようなので安心した。
講師のレイさんは、「セクシーなエクササイズダンスということが取り上げられるバーレスクだけど、それぞれが思う『女性らしさ』を人目を気にせず解放し表現することが、自分らしさを考える上で何よりも大事なこと。生徒たちは日に日に輝きを増しているわ」と話す。バーレスクを体験する前は「色気が欲しい」ぐらいに軽く考えていたが、自分らしさを追及するダンスとは奥が深い。
どうやら自分の奥に潜むパワーやあふれる力強さを引き出す手段であって、ただセクシーに見せるということだけではないようだ。バーレスクは、自由な気持ちになって自分の奥に潜む女性的感情を隠すことなくさらけ出すことができ、「自分」に自信を持ったり真の自分を見つける方法として一役買ってくれる、まさに大人のダンスといえるのかもしれない。
(山下敦子)
![イスや小道具を使って踊ることもあります。]()
【関連リンク】
世界中で行われる「フラッシュモブ」―心温まる一分間の甘~いキス(Excite Bit コネタ) - エキサイトニュース
ゾンビが街を練り歩く……本気モードの大人の仮装(Excite Bit コネタ) - エキサイトニュース
カナダでスモークされるのはサーモンだけじゃない(Excite Bit コネタ) - エキサイトニュース
生徒らのコスチュームは、網タイツにハイヒール、ブーツ、ショートパンツにレオタードと、踊る前からセクシーだ。「髪の毛は振り乱すもの!」といった感じで邪魔になるからと束ねる様子もないし、一見、動きにくそうな服装。「そんな格好でちゃんと踊れるのだろうか……」という疑問が沸き起こる。もちろん私はジャージとTシャツで参加したが、それも後で後悔することとなった。
先生はダンススタジオの中を皮ブーツで颯爽と登場したが、ヒールがあることで体の中心にポジションを整え怪我をしないように腹筋に力を入れる方法をしっかり指導してくれるので、逆に体幹が鍛えられるという。「セクシー」という言葉は人それぞれ解釈が違うが、ヒールを履き体のラインが出る服を着て「女性」を意識するという行為も、バーレスクダンスをはじめる大事な要素なのだとか。ダボッっとしたジャージではいけない。
セクシーだからといって何も激しい動きのダンスばかりではなく、柔軟やポージング、しなやかな足の動き、視線や髪の振り乱し方、ウィンクまでが見事に計算されていて、見ているだけでもうっとりしてしまう構成である。通常の腹筋や腕立てなどエクササイズの要素に合わせて、何だか恥ずかしくなってくるようなムチを打つセクシーなポーズもあるのだが、なりふり構わず踊るのではなく、1ポーズずつ鏡で自分のスタイルを確認しながら、女性らしさや表情を磨きあげていくのだ。数人ずつに分かれて皆にその動きを披露したりもするが、恥ずかしがる様子の人は1人としていない。こんなポーズ取ったことないというような大胆なポーズを堂々と決める生徒たちを見ていると格好が良く見とれてしまうほど。
イスや帽子、手袋などの小物も使い、曲に合わせてダンスが終わると生徒たちから自然に歓喜の声と拍手が沸き起こるほど盛り上がり、活気にあふれるバーレスククラス。受講生らはエクササイズ効果はもちろん、「体のラインを意識するようになった」「自分を解放できる心地よさにハマってしまった」「新たな自分を見つけた」というが、何よりも自然に女性らしく振舞えるようになって周りから褒められるという意見が多かった。それに生徒たちも最初からノリノリでセクシーポーズが取れた訳ではないようなので安心した。
講師のレイさんは、「セクシーなエクササイズダンスということが取り上げられるバーレスクだけど、それぞれが思う『女性らしさ』を人目を気にせず解放し表現することが、自分らしさを考える上で何よりも大事なこと。生徒たちは日に日に輝きを増しているわ」と話す。バーレスクを体験する前は「色気が欲しい」ぐらいに軽く考えていたが、自分らしさを追及するダンスとは奥が深い。
どうやら自分の奥に潜むパワーやあふれる力強さを引き出す手段であって、ただセクシーに見せるということだけではないようだ。バーレスクは、自由な気持ちになって自分の奥に潜む女性的感情を隠すことなくさらけ出すことができ、「自分」に自信を持ったり真の自分を見つける方法として一役買ってくれる、まさに大人のダンスといえるのかもしれない。
(山下敦子)

【関連リンク】
世界中で行われる「フラッシュモブ」―心温まる一分間の甘~いキス(Excite Bit コネタ) - エキサイトニュース
ゾンビが街を練り歩く……本気モードの大人の仮装(Excite Bit コネタ) - エキサイトニュース
カナダでスモークされるのはサーモンだけじゃない(Excite Bit コネタ) - エキサイトニュース