3月は世間的には卒業や異動のシーズンだが、携帯電話キャリアにとっては最大の稼ぎ時でもある。販売競争は熾烈を極め、当サイトでも先週は「激化するスマホのMNP割引き 転売で10万円稼ぐ強者も!!?」として、auの過熱するキャッシュバック事情をお伝えした。ところが今週に入ってから、ドコモでも高額なキャッシュバックが相次いでいることが確認できた。
「他社からのりかえMNPで一括0円さらに現金45000円キャッシュバック」
「GALAXY NEXUSへMNPで40000円キャッシュバック!」
「MNPじゃなくても安ーい!GALAXY NEXUS、Xperia arc、AQUOS PHONE が、新規0円です!」
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Twitterを見ると、上記のような書き込みがすぐに見つかった。こうしたドコモの動向について、携帯販売店に話を聞いた。
「先月から、ドコモのGalaxy Nexus、Optimus LTEといった、最新スマートフォンの本体価格が大幅に下がりました。値段が下がっていない機種でも月々サポートが増額されていて、総額5万円近い割引が受けられるものもあります。割引が月々4千円を超えている機種の場合、データ通信目的でイーモバイルなどから乗り換えるお客様が増えています」(都内の家電量販店)
「以前からドコモでもキャッシュバックがありましたが、在庫処分のガラケーが対象でした。しかし先月から、スマホにも大幅にインセンティブ(販売奨励金)が出るようになり、特にGalaxy Nexusが安くなっています。今までauがスマホをバラまいている状態だったので、ドコモも相当焦っていたのではないでしょうか。MNPの場合、キャッシュバックを含めると5万円以上もオトクなので、Xperia acroやGalaxyは機種変更で入手するよりも、MNPしたほうが断然お安くなります」(都内の携帯ショップ)
ドコモでも高額なキャッシュバック販売が横行するようになったのは理由がある。昨年末、ドコモは21ヵ月ぶりに純増数1位に返り咲いたが、それはソニーの携帯ゲーム機 PS Vitaの発売によるものだった。Vitaの3Gバージョンはドコモのプリペイド契約が必須となるため、その台数がドコモの純増数に上乗せされたのだ。
しかし、ほとんどのVitaユーザーは3G回線を使ってゲームをしていないので、将来性はあるものの現在の収益にほとんど貢献していない。その反対に、MNP加入者はわざわざ手続きをして携帯番号を移しているので、通話目的で持ち歩く人が多く、収益に対する影響が大きい。各社ともMNP顧客を獲得したいという事情があり、auは大量の販売報奨金を投入した。結果的にスマホが投げ売りされる事態になったものの、MNP加入者数ではauが4ヶ月連続1位に返り咲いた。
auの好調はiPhone効果もあるが、ドコモはそれ以前から低迷が続いている。度重なる通信障害や端末の不具合が続いていること、音声通話定額(Xiカケ・ホーダイ)の導入が遅れたことなど、かつてドコモにあった先進性や信頼感が薄れていることも理由だろう。そんな状況の中、auに続き、ドコモも大量の販売奨励金を投入する事態に追い込まれたと見られる。
スマホの販売競争が激化しているなか、一番割を食っているのは優遇措置を受けられない長期利用者だ。ドコモは「ご愛顧割」として、10年以上の長期利用者優遇も実施しているが、発売直後に5万円以上で購入したものが、たった3ヶ月で0円で投げ売りされるのを見ると、購入した人なら誰でもショックを受けるだろう。釣った魚にエサをやらないのは商売の基本であるとはいえ、MNPに対するこれほどの優遇は長期利用者が損をしていることの裏返しでもある。誰もが携帯を持っている時代だからこそ、もっと公平でわかりやすい販売方法が望まれているのではないだろうか。(秋原とおる)
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Twitterを見ると、上記のような書き込みがすぐに見つかった。こうしたドコモの動向について、携帯販売店に話を聞いた。
「先月から、ドコモのGalaxy Nexus、Optimus LTEといった、最新スマートフォンの本体価格が大幅に下がりました。値段が下がっていない機種でも月々サポートが増額されていて、総額5万円近い割引が受けられるものもあります。割引が月々4千円を超えている機種の場合、データ通信目的でイーモバイルなどから乗り換えるお客様が増えています」(都内の家電量販店)
「以前からドコモでもキャッシュバックがありましたが、在庫処分のガラケーが対象でした。しかし先月から、スマホにも大幅にインセンティブ(販売奨励金)が出るようになり、特にGalaxy Nexusが安くなっています。今までauがスマホをバラまいている状態だったので、ドコモも相当焦っていたのではないでしょうか。MNPの場合、キャッシュバックを含めると5万円以上もオトクなので、Xperia acroやGalaxyは機種変更で入手するよりも、MNPしたほうが断然お安くなります」(都内の携帯ショップ)
ドコモでも高額なキャッシュバック販売が横行するようになったのは理由がある。昨年末、ドコモは21ヵ月ぶりに純増数1位に返り咲いたが、それはソニーの携帯ゲーム機 PS Vitaの発売によるものだった。Vitaの3Gバージョンはドコモのプリペイド契約が必須となるため、その台数がドコモの純増数に上乗せされたのだ。
しかし、ほとんどのVitaユーザーは3G回線を使ってゲームをしていないので、将来性はあるものの現在の収益にほとんど貢献していない。その反対に、MNP加入者はわざわざ手続きをして携帯番号を移しているので、通話目的で持ち歩く人が多く、収益に対する影響が大きい。各社ともMNP顧客を獲得したいという事情があり、auは大量の販売報奨金を投入した。結果的にスマホが投げ売りされる事態になったものの、MNP加入者数ではauが4ヶ月連続1位に返り咲いた。
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スマホの販売競争が激化しているなか、一番割を食っているのは優遇措置を受けられない長期利用者だ。ドコモは「ご愛顧割」として、10年以上の長期利用者優遇も実施しているが、発売直後に5万円以上で購入したものが、たった3ヶ月で0円で投げ売りされるのを見ると、購入した人なら誰でもショックを受けるだろう。釣った魚にエサをやらないのは商売の基本であるとはいえ、MNPに対するこれほどの優遇は長期利用者が損をしていることの裏返しでもある。誰もが携帯を持っている時代だからこそ、もっと公平でわかりやすい販売方法が望まれているのではないだろうか。(秋原とおる)
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