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「白戸家」山内ケンジ監督、長編デビュー作は邦画界へのアンチテーゼ。次回作の構想も明かす

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映画「ミツコ感覚」で長編映画監督デビューを飾った「UFO仮面ヤキソバン」「ソフトバンク 白戸家」などのCMで知られる山内ケンジ監督にインタビュー。撮影は2010年に行なわれた本作だが、劇中には3.11を予見したかのようなシーンが組み込まれていた。

【関連写真】CM業界から映画業界への人材流入。その現実を関係者はどう考える?

主人公・ミツコ(初音映莉子)のとある日常を描いた本作。姉のエミ(石橋けい)、そしてエミと不倫している会社の上司・松原(古舘寛治)、ミツコらと知り合いだと言い張る偶然出会った謎の男・三浦(三浦俊輔)と、その姉(山本裕子)、そして松原の妻(永井若葉)たちが、ミツコの平凡な日常にゆがみを生じさせていくという異色のドラマだ。

カップ焼きそばと特撮ヒーローものの合体、エステに行った日本人女性がナオミ・キャンベルに変身、喋る犬と人種の混ざった家族など、山内監督のCMは他のCMとは比べ物にならないほどの独創性と可笑しさに溢れている。「話題になるだろうと思って作ったものはない」と断言する山内監督だが、「CM業界の王道的作品に対するアンチテーゼとして作ろうという気持ちがあって、メジャーに対する批判というものがあるのかもしれない。カッコよく言えば反骨精神ですが、単なるひねくれ者なんですよ」と苦笑する。

その反骨精神は「ミツコ感覚」にも顕著で、山内監督のこれまでのライト・タッチのCMをイメージして観ると、不意打ちを喰らうだろう。あの「ソフトバンク 白戸家」を作った人と、日常生活の中にある“いや~な感じ”をこれでもかと映し出しているのが同一人物とは思えないからだ。撮影が行なわれたのは、2010年。「当時日本に漂っていた閉塞感を描きたかった」と作品について説明するが、驚くべきことに劇中には震災が取り入れられている。川沿いに住んでいた三浦の両親が震災の犠牲者であるというやりとりは、3月11日に発生した東日本大震災を思い出させる。

山内監督自身も「恋人の死や不景気など、姉妹を取り巻く重たい状況の一つとして震災を配置しただけで、まさか本当に震災が起こるとは。偶然の一致にちょっと怖かったですね」と驚きを隠せない様子。震災という設定を作った理由は「河川敷で川の流れを見たときに頭に浮かんだから」だそう。すでに次回作の構想もあり「震災を契機にした物語になる予定」と話し、「3月11日後に作られた多くの創作物は、震災がなかったかのように作られているけれど、これから増えていくと思いますね。やはり描かないわけにはいかない出来事ですから」と、予見ではなく実際の経験を基に描くつもりだ。

映画「ミツコ感覚」はテアトル新宿、立川シネマシティ他にて全国順次公開中


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