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『テルマエ・ロマエ』でフロ文化考察

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浴場のアイデアに悩んだ古代ローマ帝国のフロ設計技師が、突然タイムスリップして現代日本のフロ文化を学ぶというユニークな設定の人気漫画『テルマエ・ロマエ』。実写化された映画が今月末に公開される。壮大ながら親近感のわくこの作品に描かれたフロへの飽くなき探求心と情熱は、日本人なら共感できるだろう。

だがこの「おフロ、サイコー」の感覚、やはり世界的にはかなり珍しいようだ。そこで各国のフロ事情について取材してみると以下のような声が上がってきた。

まず大方予想していた通り、バスタブに湯をはるという人はごく少数。「5~10分程度だが一応毎日シャワーは浴びる。夜ではなく朝シャワーの人が多い」(イギリス)という意見がほとんど。また入浴はするものの、「ジャグジー付きの浴槽が人気だが、追い焚き機能がないので、時間的・経済的にも湯をはるのは週に1回くらい」(スウェーデン)というように、ゆったり湯に浸かってリラックスするのはたまの贅沢な趣味として位置付けられている模様。

実はこのシャワーのみの状況は古代ローマ帝国の後継者(?)であるはずの現代イタリアでも同様で、「バスタブはあるが、ほぼ100%シャワーで済ませている」のだそう。なぜ“末裔”はフロ愛好文化を失くしてしまったのだろう?

古代から現代にいたる衛生観の変遷を紹介した図説『不潔の歴史』(キャスリン・アシェンバーグ著/原書房)によると、社交場として発展した公衆浴場が、後に売買春の舞台となる場合もあったことが一因。そのため、キリスト教が入浴を禁じたほか、14世紀にはペストが流行したことも足を遠ざける要因になったという。さらに隣国フランスでは垢が体を守るという思想が広まったのも、入浴文化が廃れる引き金になったと解説されている。

そんな予備知識を頭の隅に置きながら映画を観ると、また一興かもしれません!?
(足立美由紀)
(R25編集部)

『テルマエ・ロマエ』でフロ文化考察はコチラ

※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびweb R25から一部抜粋したものです
※一部のコラムを除き、web R25では図・表・写真付きのコラムを掲載しております

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