
餅は餅屋と申しますが...
一時停止無視で警察に罰金400ドル(3万円強)のキップもらったUCサンディエゴの物理学者ドミトリ・クリオウコフ(Dmirti Krioukov)さんは、「二度としません...」と目を潤ませたり、「俺は停まった!絶対停まった!」と喚き散らす代わりに、物理論文「無実の証明」を延々4ページの論文にまとめてネットに公開、裁判所に支払いを免除してもらいました。
論文はこれ(pdf)。序文には、
「ここでは以下3つの要件が満たされた場合、一時停止で車が停まっても、車から一定の距離を置き車の軌道と一定の角度を成す観察者(警察官)には、あたかも車が停まってないかのように見える事実を示したい」 ...とあります。続いて、「この放物線は...式は一体なんなのよ~え~?」と唸ってしまうグラフと式がゾロゾロ登場。罰金400ドル(3万円強)のキップの反証に持てる物理学の英知のすべてを出し切るドミトリさん。
いちおう相対速度の原理で攻めたみたいですよ? 警官は停止の標識から100フィート(30m)の地点に立っていました。で、角速度を線速度と錯覚し、減速したのに、してないって思ってしまった。しかもドミトリさんがトヨタYaris(エコー)の急ブレーキ踏んで停止したまさにその時、大きな車が間に停まって警官からは見えなくなった。で、警官は減速してないんだから停まってないんだなーと思い込んでしまった、というわけ(Daily Mailの解読より)。
で、本当に停まったのかとNBCに尋ねられ、ドミトリさんは「もちろん停まりましたよ」とスマイルスマイルです。
「おっしゃー自分もやってやるぅ!」と、今ダンボールから高校物理学の教科書とりだし中のみなさまには申し訳ないのだけど、これって結構いろんな条件がぴったり重ならないと成り立たない証明なのでそんな何度も使える手じゃないってKrioukovさんは警告してますよ。残念~!
[NBC, Daily Mail and arXiv]
JAMIE CONDLIFFE(原文/satomi)
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