願い事を3回言えれば願いがかなうとされ、子供のころから知っている身近な天文現象の1つとして「流れ星」があります。
空の明るい都会では、あまり見ることはありませんが、空の暗い山や田舎へ行けば、普段でも数分~数10分に1個程度の流れ星を見ることができます。
今回は、そんな夜空を美しく彩る立役者、流れ星について紹介したいと思います。
■ 流れ星の正体
そもそも、流れ星の正体は一体何なのでしょうか。流れ星は、その名の通り「宇宙に見える星が流れている現象」だと思っている方もいるかもしれません。しかし、実はもっと近く、地球の大気中で起こっている現象なのです。どういうことなのか、もう少し詳しく説明しましょう。宇宙には、さまざまな塵(ダスト)が多く存在します。これらが、引力に引っ張られて地球の大気圏に突入すると、大気との摩擦熱で燃えるときの光が、地上からは流れ星として見えるという仕組みです。
その中でも、特にサイズが大きく、大気圏内で燃え尽きなかったものは、地表まで到達し隕石(いんせき)として発見されることになります。では、どうして宇宙空間にこのような塵があるのでしょうか。その要因としてはいろいろありますが、彗星(すいせい)が通った後に残していった塵だったり、隕石のカケラだったりといったものが宇宙空間には多く漂っています。
これらがすべて、流れ星のもとになっている塵というわけです。
■ 流星群とは?
一般的に、流れ星は空のあちこちで現れ、さまざまな方向に流れていきます。しかし、年に数回、多くの流れ星が一度に出現する現象を見ることができます。さらに、その多くの流れ星たちが、ある一点から放射状に降り注いでいる場合、それらの流れ星をまとめて「流星群」と呼んでいます。
流星群の代表としては、毎年8月のお盆ごろに見られる「ペルセウス座流星群」や2001年に大出現して話題となった「しし座流星群」などが有名ですので、どこかで耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
これら流星群の中でも、毎年決まった時期に出現するものを「定常群」、数年~数十年おきに活発に出現するものを「周期群」、突然活動するものを「突発群」と呼び、「ペルセウス座流星群」は定常群、「しし座流星群」は周期群にあたります。
そのほか、突発群の代表としては、1956年12月に突如出現し、南極へ行く途中の第1次南極越冬隊によっても観測された「ほうおう座流星群」などが知られています。
■ 流星群の名付け方
ところで、なぜ流星群にはそれぞれ「ペルセウス座」や「しし座」のように、星座の名前が付けられているのでしょうか。
それは、その流星群が出現する場所と大きな関係があります。
先ほど、流れ星がある一点から放射状に降り注いでいる場合、それらの流星をまとめて「流星群」と呼びます、とお話しましたが、この中心となる一点のことを「放射点」または「輻射点」と言い、この点がどこの星座に属しているかによって、付けられる名前が決まります。
つまり、この点がペルセウス座の付近にある場合には「ペルセウス座流星群」、しし座の付近にある場合には「しし座流星群」となるわけです。
ちなみに、しし座流星群の放射点は、ちょうど獅子の顔の付近にあたります。
■ 日本で見られる流星群たち
現在、観測できる流星群には、主なものでおよそ20個程度あります。
その中でも、1月上旬に見られる「しぶんぎ座流星群」、8月中旬に見られる「ペルセウス座流星群」、12月中旬に見られる「ふたご座流星群」は、毎年ほぼ安定して出現数も多いことから、三大流星群と呼ばれています。
ちなみに、「しぶんぎ座」という星座は、今はもう残っていませんが、かつて、この放射点のあたりには「壁面四分儀座」という星座がありました。
現在では、りゅう座とうしかい座の境界付近にあたりますが、放射点までの距離がどちらの星座の中心からもが遠いことから、「しぶんぎ座流星群」という名前が今も使われています。
■まとめ
このように「流れ星」や「流星群」は、宇宙に漂う塵がそのもとになっていたわけです。
また、流星群にも、その出現するタイミングによって、いろいろな種類があることが、お分かりいただけたでしょうか。
都会に住んでいると、なかなか出会う機会のない流れ星ですが、たまには暗いところに出掛けて行って、ゆっくり空を眺めながら流れ星を探してみるのもいいかもしれませんね。
(文/寺澤光芳)
●著者プロフィール
小さい頃から自然科学に関心があり、それが高じて科学館の展示の解説員を務めた経験も持つ。現在は、天文に関するアプリケーションの作成や、科学系を中心としたコラムを執筆している。
【関連リンク】
【コラム】左利きは右脳が発達してるって本当!? 脳科学者に聞いた
【コラム】企画展「お化け屋敷で科学する」で恐怖について勉強してみた!
【コラム】脳の仕組みを利用して、恋愛スイッチを入れる方法