ジャック・ホワイト、ソロ・アルバムはキャリア集大成的なアルバム

ギターとドラムという変則的なデュオ編成のホワイト・ストライプスで衝撃的にデビューし、ロックの救世主的存在とも呼ばれたカリスマ・ミュージシャン、ジャック・ホワイト。そのホワイト・ストライプスの解散から約1年半、彼がついにソロ・デビュー・アルバム『ブランダーバス』を自身のレーベルである＜サード・マン・レコーズ＞からリリースする。

ハードなロックンロールからフォーク／カントリー的な曲まで実に幅広く、まさにジャックの本質がむき出しの、キャリアの1つの集大成と言っても良い内容になったようだ。実際リリースに先立って行なわれた初ソロ名義ライブでは、ストライプスのナンバーはもちろん、自分が参加した全てのバンドのレパートリーを惜しみなく連発したらしく、これまでのキャリアを総ざらいするかのようなステージだった。

今年の初頭に自身の名前を冠したシングル「Love Interruption」を突如発表し、その際「今まで自分の名前で作品をリリースするなんてことは考えてこなかったけど、今回いくつも曲を書いてみて、それらはもう自分の名前で発表する他無い、と感じたんだ。これらの曲は全て、他の誰でもなく、自分だけのキャンバスに自分だけの色と表現で描いたものばかりだからね」と語っていたが、ホワイト・ストライプスと平行して活動していたラカンターズ、また自身がドラムを演奏するデッド・ウェザーの活動も一段落させた今、改めてソロ・キャリアを始めようと思い立ったということなのだろう。

しかし彼のすごい所は、バンドも解散してソロになったにも関わらず、“落ち着いた”という気配が全く感じられない所である。数々のバンドの中心人物／プロデュースを務め、膨大な数の名曲を書いてきても尚その才能が枯れる様子も全く無し、むしろ今度はソロでなにやってくれるんだろう？　ソロになったらさらに才気を爆発させるんじゃないか？　と期待させられてしまうのである。

そんなわけで非常に楽しみな『ブランダーバス』は4月23日（月）にリリース予定、そして今年のフジロックに出演することも既に決定しているジャック。今回はバンドのメンバーではなく、ソロ・アーティスト“ジャック・ホワイト”としてどんなステージを繰り広げてくれるのか、その点にも注目してみたい。

Photo：(C) Alec Michael / Globe Photos / Zeta Image

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