
オフィスでもケアできる方法として、鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院院長の丸尾啓輔(まるお・けいすけ)先生に、「胸の不快感に効果的なツボ」を教えてもらいました。
■足のすねと胃は直結している
「胸やけは、胃酸がのどもとまで上がってきている状態です。つまり、胃の機能を改善させる必要があります。足には胃腸の経絡(けいらく・体内の気の通り道)があり、足を刺激することも効果的です。
これらのツボの刺激には、どれも、親指や中指、ツボ押し棒など押しやすいもので、ひと押し10秒~1分ほど指圧をしてください」(丸尾先生)
では、ツボの紹介です。以下は丸尾先生談です。
1.足三里(あしさんり)

胃、腸、冷え性、足の疲れ、全身疲労、体力増強などの特効ツボです。
ツボの位置:すねの骨の外側、筋肉の盛り上がりの上、少しくぼんでいるところ。親指で強く押すと違和感があるところ。
2.上巨虚(じょうこきょ)・下巨虚(げこきょ)

おなかが鳴るときにも指圧しましょう。
ツボの位置:「足三里」から親指の幅3本分下がったところに「上巨虚」、上巨虚からさらに親指の幅3本分の下に「下巨虚」があります。
3.懸枢(けんすう)

胃腸の症状を整えます。また、腰痛の改善にも効くツボです。
ツボの位置:背中の両方の腰骨を結んだ線と背骨の交差するところが、腰椎(ようつい)の4番目と5番目の間になります。指で背骨の突起をたどり、腰骨の1番目と2番目の間に懸枢(けんすう)があります。分からなければ、胃の後ろにあたる背骨を指でたどり、違和感がある箇所を見つけてください。
4.気舎(きしゃ)

ゲップを排出しやすくするツボです。しゃっくり、のどの痛み、首のこりなどにも効きます。
ツボの位置:首の前側、のどぼとけの真下に胸の骨があります。その胸骨と鎖骨と境目の上。両方の人さし指で指圧します。
5.巨闕(こけつ)

あらゆる胃の症状に対応する胃の特効ツボです。
ツボの位置:みぞおち。両手を重ねて、中指の先で指圧します。かたい部分があれば、柔らかくなるまで、優しく指圧を続けましょう。
丸尾先生は、最後にこうアドバイスを加えます。
「ツボの位置は人それぞれ違います。自分で少しずつ位置を変えながら指圧して、痛いところ、気持ちいいと感じるところを探し当ててください」
覚えておくといざというときに役立ちそうなツボばかりです。それに、これらのツボを意識していると、食べすぎない、飲みすぎないように気を付けるということにもつながりそうです。
監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。
太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10 TEL: 06-7176-6289 地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分 http://www.taisibasi.com/
(岩田なつき/ユンブル)
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