
■小鼻の脇から目頭、頭の前までを刺激
「花粉症を発症すると、鼻や目の粘膜が荒れます。東洋医学では、鼻水が出る、鼻がつまるなどは、鼻を通る経絡(東洋医学で言う、気の通り道)が滞ると考えます。
気の流れを意識しながら、鼻、目、頭を順番に指圧すると、症状緩和の効果はアップします」と丸尾先生は説明します。
以下は、丸尾先生談です。
1.迎香(げいこう)

鼻水・鼻づまりの特効ツボです。「香りを迎える」という意味があり、鼻がつまってにおいを感じにくくなったときにここを押すとよい、という重要なツボです。
ツボの位置:小鼻の両脇、根元のすぐ横のほうれい線(小鼻の両脇から、唇の両端に伸びるしわ)上にあるくぼみ。
ツボの刺激法:両手の人さし指や中指で、同時に左右のツボを刺激します。やや強めに押すことを意識し、ひと押し10秒~1分を数回、繰り返します。
2.晴明(せいめい)

目が疲れたとき、無意識にここを押す人も多いでしょう。このツボは、目に現れるさまざまな症状を緩和する特効ツボです。涙目、目のかゆみ、目の疲れを感じたときにはすぐにここを指圧しましょう。
また、鼻の付け根で目頭にあたることから、鼻水、鼻づまり、鼻血など、鼻の機能を調整するツボでもあります。
ツボの位置:目頭の脇。
ツボの刺激法:指で押さえて上下させると、鼻の奥に違和感を覚える場所、方向があります。そこをめがけてひと押し10秒~1分を数回、繰り返します。
1の迎香とセットで覚えておき、迎香から晴明にかけて、鼻筋に沿って人さし指や中指の腹で50~80回ほど上下にマッサージをすると効果的です。
3.印堂(いんどう)

花粉症など慢性のアレルギー鼻炎、副鼻腔炎などによる、頭までツーンと響く鼻づまり、それにともなう頭痛、頭重感、息苦しさ、不快感などを緩和するツボです。
また、精神的な不安があるときはここにおきゅうをすると効果があります。
ツボの位置:左右のまゆの間の中央。
ツボの刺激法:人さし指か中指で、ひと押し30秒~1分を数回、繰り返します。
4.上星(じょうせい)

口が渇いて鼻水が濃いときには、ここを長めに強めに刺激します。
ツボの位置:前髪の生え際の中央から、真上に自分の親指の幅1本分を上がったところ。
ツボの刺激法:人さし指や中指、また、つまようじやペン先の丸い部分で、鼻の奥をめがけてそこにズンと通じるように、強めにひと押し10秒~1分を数回、繰り返し指圧します。
中指でトントンと2~3分ほどたたくのもよいでしょう。いずれも鼻を意識し、刺激が鼻に通じる感覚で押すようにします。
最後に丸尾先生は、
「花粉が飛び散る時期、症状が顕著になったときだけではなく、普段からこれらのツボを意識して指圧することが大事です。ツボ刺激は、予防に役立つのです」とアドバイスします。
これらのツボをじっくりと押していくと、鼻の血流が促されたように感じて指圧の効果が分かります。ツボの位置も覚えやすく、オフィスでも実践しやすいので日常的に指圧するようにしたいと思います。
監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。
太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10 TEL: 06-7176-6289 地下鉄谷町線・今里線太子橋今市駅から徒歩1分 http://www.taisibasi.com/
(藤井空/ユンブル)
【関連リンク】
【コラム】専門医に聞く。ラーメンを食べると鼻水が出るのはなぜ?
【コラム】春派、夏派、秋派、冬派の主張争い! あなたの好きな季節は?
【コラム】専門医に聞く。鼻うがいの正しい方法