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新種カグラコウモリ、ベトナムで発見

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 顔に葉のような突起が密集するカグラコウモリの新種がベトナムで確認された。

 新種「グリフィンズ・リーフノーズド・バット(Griffin's leaf-nosed bat、学名:Hipposideros griffini)」は2008年、チュー・モン・レイ国立公園(Chu Mom Ray National Park)で発見。首都ハノイにあるベトナム科学技術アカデミーのブ・ディン・トン(Vu Dinh Thong)氏によれば、既知のグレート・リーフノーズド・バット(Great leaf-nosed bat)と間違えるほどよく似ていたという。

 しかし、同氏のチームは新種の可能性があると考え、網で何匹か捕獲。コウモリたちはおとなしく、簡単に確保できた。

 ブ・ディン氏は、「体の大きさは近いが、グレート・リーフノーズド・バットなどは捕まると怒りをあらわにする」と電子メールでコメントしている。「一方、グリフィンズ・リーフノーズド・バットはかなり穏やかな性格のようだ」。

 ただし、別の厄介な生き物との戦いが待っていた。雨期のチュー・モン・レイ国立公園は、信じられないほどの数のヒルに占拠されるという。「コウモリをわなに掛けようとしている間、ヒルが猛烈に襲ってきた」と同氏は振り返る。「幸い、何とか乗り切れたが」。

◆まだ謎は多い

 ブ・ディン氏らは捕獲したコウモリが出す音波の周波数を記録し、数匹から組織も採取した。周波数はグレート・リーフノーズド・バットとは異なり、新種の可能性を示唆。遺伝子分析の結果は、ブ・ディン氏の予感通りだった。

「このコウモリの詳細はほとんどわかっていない」と同氏は話す。ほかのカグラコウモリと同様、鼻にある葉のような奇妙な突起で、反響定位(エコロケーション)の精度を上げているようだ。反響定位とは、音波を発してエサなどの物体からの反響を受信する方法である。

 グリフィンズ・リーフノーズド・バットは2つの国立公園でしか確認されていない。ただし、今後の調査で新たな生息地が見つかるかもしれないとブ・ディン氏は考えている。

「今回の発見は、ベトナムに極めて多様なコウモリが生息しており、一部はいまだ発見されていない可能性を示している」。

 研究の詳細は「Journal of Mammalogy」誌で発表された。

Christine Dell'Amore for National Geographic News

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