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『TIME/タイム』アンドリュー・ニコル監督、「『ガタカ』に影響を受けている」


全ての人類の成長は25歳で止まり、何と通貨は人間の寿命、永遠に生きる<富裕ゾーン>の住民と平均寿命23時間の<スラムゾーン>の人々に二分された世界を描くアクション・サスペンス『TIME/タイム』。常識を覆す設定、かつ刺激的な作品を創った男は一体何を考えているのか?本作の監督、アンドリュー・ニコルにEメールで直撃した。

Q1.“余命の時間=通貨”。このユニークな設定はどのようにして思いついたのか?
『TIME/タイム』は、私が以前監督した映画『ガタカ』に影響を受けています。私は、もしも遺伝子工学が発達して人類の老化を止めることができたら、きっと大きな問題が生じるのではないかと思っていました。不老不死が実現されれば、人口増加が問題になるはずですよね。その解決策として、“余命の時間=通貨”として取引するという設定を思いついたんです。

Q2. ジャスティン・ティンバーレイクとアマンダ・セイフライドをキャスティングした理由は?
ジャスティンを起用したのは、彼はどこか今どきの“普通っぽい”ところを持っているからです。それに、<スラムゾーン>に住むウィルは毎日仕事をしなければ死んでしまいますが、ジャスティンも12歳の頃からほぼ一日も仕事を休んだことはない生活を送ってきたはずですから。
アマンダは、<富裕ゾーン>生まれのカゴに捕らわれたお姫様と、銀行強盗するタフな女性を、とても魅力的に演じ分けてくれました。そうそう、ミュージシャンでもあるジャスティンはセリフをラップにして覚えたりしていたんですが、アマンダも真似したのにびっくりしましたよ!彼女のラップの方が上手かったこともありました(笑)。

Q3.  意図的に現代の格差社会を風刺しようと思ったのか?
“余命の時間=通貨”という設定を生かしたストーリーを組み立てるには、現代社会の経済システムを基にすれば良いのではないかと思ったんです。そこで、<富裕ゾーン>と<スラムゾーン>の格差をベースに脚本を書きました。でもまさか、実際に世界中で騒動やデモが起こるとは予想していませんでしたよ。

Q4. 『TIME/タイム』は、作品の世界では、何時間分の価値があるのか?
上映時間109分ぴったりの価値があると思います。観ると109分、寿命を消費します。『TIME/タイム』が皆さんにとって観る価値のある映画であることを祈っています。

『TIME/タイム』は2012年2月17日から全国で公開

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