裁判での弁護士と検事の対決をゲームにした大人気法廷バトルシリーズ「逆転裁判」が実写映画化された。ゲームの映画化についてはもはや珍しくもなんともないので驚かないが、よりにもよって「逆転裁判」を題材に選んだのか! という驚きはあった。
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というのも逆転裁判はちょっと特殊な構造のゲームであり、ストーリーやトリック、バトル部分についてはきちんとまじめにミステリーとして成り立っている反面、登場人物やセリフ回し、演出などについてはかなりコメディ色が強い作品なのである。ゲームは二次元のイラストだからその二つの要素が両立できているが、これが実写となるとそうはいかない。シリアスな推理ドラマ寄りにするのか、それとも逆転裁判らしい雰囲気を重視したコメディ寄りに仕上げてくるのか――果たしてどっちだろう、と思いながら見て、驚いた。
何と、シリアスな推理ドラマと逆転裁判のコメディ色を無理やり力技で両立させているのである。つまり、ゲームをそのまま忠実に実写映画にしていたのだ。たしかにそれが一番原作ファンに受け入れられる道かもしれないが……しかし、ゲームでのあの記号的な髪型や衣装、セリフ回しをそのまま実写でやらせるというのは、もはやそれだけでかなりギャグに寄っており、その格好でいくらシリアスなドラマをやられてもどうにもコスプレ感は否めない。
そんな中で意外にもハマっていたと感じたのは、主人公の成歩堂龍一を演じた成宮寛貴。気弱だけどいざというときは力を発揮する新米弁護士・成歩堂を、わざとらしくならず、それでいてキャラクター性も壊さないうまいところで演じていた。成歩堂を不自然にならずに演じられる俳優なんて存在するのか? と思っていたが、成宮は見事その期待に応えてくれたといえる。そういえば何となくルックスも似ている気がする。口元とか。 対して他の主要キャラである御剣を演じた斎藤工と真宵を演じた桐谷美玲はやや苦しい。いや、これは彼らがダメなのではなく、そもそも御剣と真宵というキャラクター自体が三次元で再現するにはあまりにも無理があったとしか言いようがないのだが……。
さて、そして肝心のストーリーの方だが、こちらは前述した通り、原作同様に真面目に推理ドラマをやっている。法廷パートと探偵パートに分かれているところまで原作に忠実だ。ただし2時間しかない尺の中に3つの事件を詰め込んだため、観客がやや置いてけぼりになってしまっているのは残念である。
逆に「そうきたか」と感心させられたのは、法廷バトルでの演出だ。「異議あり!」「待った!」「くらえ!」といったお馴染みのフレーズはもちろん、証拠を相手に「突きつける」演出もよく考えられていて、なるほどさすがは三池崇史監督、うまいこと考えるものだなぁと感心してしまった。「そんなのあったなら最初から出せよ!」と言いたくなる証拠が後付けでどんどん出てくるのはご愛嬌である。
ということで想像よりははるかによくできていたものの、全体的にはどうしてもコスプレ劇に見えてしまう「逆転裁判」。少なくとも原作ファン同士で観に行けば、その後の話の種になることは間違いない。
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何と、シリアスな推理ドラマと逆転裁判のコメディ色を無理やり力技で両立させているのである。つまり、ゲームをそのまま忠実に実写映画にしていたのだ。たしかにそれが一番原作ファンに受け入れられる道かもしれないが……しかし、ゲームでのあの記号的な髪型や衣装、セリフ回しをそのまま実写でやらせるというのは、もはやそれだけでかなりギャグに寄っており、その格好でいくらシリアスなドラマをやられてもどうにもコスプレ感は否めない。
そんな中で意外にもハマっていたと感じたのは、主人公の成歩堂龍一を演じた成宮寛貴。気弱だけどいざというときは力を発揮する新米弁護士・成歩堂を、わざとらしくならず、それでいてキャラクター性も壊さないうまいところで演じていた。成歩堂を不自然にならずに演じられる俳優なんて存在するのか? と思っていたが、成宮は見事その期待に応えてくれたといえる。そういえば何となくルックスも似ている気がする。口元とか。 対して他の主要キャラである御剣を演じた斎藤工と真宵を演じた桐谷美玲はやや苦しい。いや、これは彼らがダメなのではなく、そもそも御剣と真宵というキャラクター自体が三次元で再現するにはあまりにも無理があったとしか言いようがないのだが……。
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逆に「そうきたか」と感心させられたのは、法廷バトルでの演出だ。「異議あり!」「待った!」「くらえ!」といったお馴染みのフレーズはもちろん、証拠を相手に「突きつける」演出もよく考えられていて、なるほどさすがは三池崇史監督、うまいこと考えるものだなぁと感心してしまった。「そんなのあったなら最初から出せよ!」と言いたくなる証拠が後付けでどんどん出てくるのはご愛嬌である。
ということで想像よりははるかによくできていたものの、全体的にはどうしてもコスプレ劇に見えてしまう「逆転裁判」。少なくとも原作ファン同士で観に行けば、その後の話の種になることは間違いない。
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