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『ベルセルク』狂戦士ガッツとグリフィスの未来

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 連載スタートから22年、全世界で発行部数3000万部を突破したダークファンタジー『ベルセルク』。中世ヨーロッパを下敷きにした「剣と魔法の世界」で、鉄塊のように巨大な剣をふるって戦う剣士ガッツの復讐の物語だ。圧倒的なまでの迫力ある筆致、愛憎や渇望、絶望といった激しい感情が渦巻く重厚なストーリーが世界中の読者を魅了している。
 男女1000名に「『ベルセルク』の好きなキャラは?」というアンケート※を実施したところ、男女とも主人公のガッツが1位を獲得した。男性編の2位、女性編では3位となったのは髑髏の騎士、男性編3位のグリフィスは女性編2位という結果になった。また、男性編のみ4位にゾッドが、女性編のみ4位にキャスカ、同率5位でシールケとイバレラがランクインした。こうした人気キャラクターとの関係に焦点を当てながら、ガッツの「行く末」を考えてみたい。
ガッツが渇望するもの

 22年という長期にわたる連載中、しばしばの休載もありながらいまだに人気の衰えを見せない『ベルセルク』。壮大な世界観や素晴らしい画力も人気の一因だろうが、なによりも読者の心をつかんで離さないのは登場人物の熱く、激しい感情だろう。死体から生まれた忌み子のガッツは、誰からも愛されずに育ち、だからこそ愛情を渇望した。絶望の淵をさまようガッツに光を与えてくれた相手こそ、「鷹の団」団長のグリフィスだった。「お前はオレのものなんだからな。お前の死に場所はオレが決めてやる」、そう言われたガッツの胸にはどんな想いが去来しただろう。
 対するグリフィスは自分の野望のためだけにガッツを利用しているかといえば、決してそうではない。最強の敵、ゾッドとの戦いの際、自らの命を懸けてガッツを救おうとしている。対等の友でいるためにグリフィスの元を去ったガッツを思い出し、「唯一お前だけが俺に夢を忘れさせた」とつぶやくシーンが印象的だ。夢を「神」、自らをその「殉教者」と呼んだグリフィスにとって、ガッツはそれよりも意味のある存在だったと言っているのだ。
ラストに「神」の祝福はあるか

 ガッツが去ったことで大切なものをすべて失ったグリフィスは、ゴッドハンドと呼ばれる「守護天使」になる。対して、ガッツはキャスカという新しい愛情の対象を得ることになる。だが、キャスカは本当にガッツにとって最も大切な存在になったのだろうか。最終的にキャスカの元を離れて復讐の旅に出るガッツは、「憎しみ」が動機になっているとしても、グリフィスを選んだと言えるのではないだろうか。
 妖精のパックやイバレラ、魔女のシールケなど温かな愛情満ちたメンバーと行動するようになったガッツだが、この物語がハッピーエンドな大団円を迎えるとは到底考えられない。かつて「逃げ出した先に楽園なんてありゃしねえのさ」と言ったガッツ。愛するキャスカや仲間と「楽園」に逃げ込むことは決してしないだろう。誰よりも強くグリフィスを追い求め、最期をともにするに違いない。なお、ガッツとグリフィスの最も幸せだった「鷹の団」の時代を映画化した、『ベルセルク 黄金時代篇I覇王の卵』(配給:ワーナーブラザース映画)は2012年2月4日(土)より全国ロードショー公開される。迫力ある戦闘シーンや美しい映像は一見の価値あり、だ。
画像は映画『ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵』

(c)三浦建太郎(スタジオ我画)・白泉社/BERSERK FILM PARTNERS

映画公式サイト /www.berserkfilm.com

文●塩澤真樹(C-side)
調査データ:

※アンケート

調査時期:2011年11月11日~11月19日

調査対象:マイナビ ニュース会員

調査数:男性388名、女性612名

調査方法:インターネットログイン式アンケート






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