第4週が放送中の連続ドラマ小説「まんぷく」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか)。
【写真を見る】10月26日(金)放送の第23回では萬平(長谷川博己)に赤紙が届き、福子(安藤サクラ)は心配のあまり取り乱す/(C)NHK
福子(安藤サクラ)とその夫・萬平(長谷川博己)の成功物語で、インスタントラーメンを生み出した実業家である安藤百福氏と妻・仁子氏の半生をモデルに、戦前から高度経済成長期にかけての激動の時代を舞台に、たくましく生きる夫婦の姿を描いている本作。
SNSでは、明朗快活でかわいらしい福子やちょっと変わり者ながら誠実で純粋な萬平、さらには“白馬の王子様”な牧善之介(浜野謙太)、“野呂缶”の野呂幸吉(藤山扇治郎)、福子の姉・咲(内田有紀)、「武家の娘」な福子の母・鈴(松坂慶子)など個性豊かな登場人物や昭和初期の大阪を見事に表現したセットなどが話題に。
そんな「まんぷく」の世界感を“音”で支えているのが、音楽を担当している川井憲次だ。“朝ドラ”について「ちょっと昔の日本の、懐かしさを感じさせてくれるイメージです。時代の中で一生懸命生きている人々が描かれ、そこに視聴者は共感する――そんなイメージが強いです」という川井が、作曲の際に心がけていることや制作の裏側を明かした。
川井は、本作の音楽を務めることが決まった時のことを「『梅ちゃん先生』(2012年、NHK総合ほか)の時もそうだったのですが、『本当に僕でいいのかな』と思いました」と振り返り、「“朝ドラ”といっても、作品によってテーマは違うので、2回目という意識は特にありません。ただ、大河ドラマ『花燃ゆ』(2015年、NHK総合ほか)でご一緒したチームだったので、意思の疎通がすでにとれているから、入りやすかったですね」と語る。
また、「最初に3週分の台本を読んで、萬平の、何か物を作り出す人が持っている前に進む力強さと、そういう人に力を貸してくれるまわりの人々のエネルギー、そして、萬平を支える福子の健気さ、かわいさなどが伝わってきました」と語り、「それで、まず、『福子のテーマ』(仮)と『萬平のテーマ』(仮)を、自分なりに作って、最初の打合せに持って行ったんです。幸い、スタッフの皆さんにも気に入ってもらえて、方向性が見え始めました。作曲時に見たテストテイク(映像)からは、安藤さんの個性的な印象と、福子の強さ、萬平のちょっと変わり者なところなどが、感じられました。コミカルさもあり、たぶん、二人のドタバタもありそうだなと思い、そのあたりも音楽に盛り込んでいきました」と作曲の裏側を明かした。
さらに、「最初の打合せで、音楽全体のキーワードとして明治末期に開業した遊園地の『新世界ルナパーク』という言葉が出てきました。実際にパークがあったのは大正時代で、ドラマの昭和時代とはズレがあるのですが、それはそれとして、かつての日本人が抱いていた欧米への憧れと、華やかな大阪ならではのパワフル感、そこに息づく日本人のDNAなどを音楽で表現できないかと。それにはジャズがいいね、という話も出ました。
ただし、あくまでも日本人のDNAを感じさせるジャズです。さらにそこに、大阪のコテコテ感もプラスしていきたいということで、打ち合わせ直後にかつてルナパークのシンボルだった通天閣に行ってみたんです。その情緒感をたよりに『メインテーマ』は、洋風でありながら、メロディーは完全に和風の曲に仕上げました。エネルギッシュでバタ臭い、でもどこか郷愁を感じさせる曲がいいなと思って。僕は大阪の暖かさやパワフル感は大好きで、それをいかに表現するかのヒントを通天閣からいただいたような気がします」と作曲の際に心がけていることなどを語った。
そして、「『福子のテーマ』は、バイオリンのソロで、女性らしい芯の強さを表現し、『萬平のテーマ』は、常に遠くを見て前へ進んで行く萬平の生き方を表現してみました。特にちょっと変わり者の萬平の“飛んじゃってる”ところも、ホルンなどブラス系を加えて突き進んでいく感を出してみました。
今回、特に全体的に悩んだのは、情緒を持たせつつ、いかに明るくしていくか、ということでした。しかも元気さも感じられる音楽にしたいわけですが、その3つはベクトルがそれぞれ異なります。ただ無難に鳴っている音楽ではなく、萬平や福子を積極的に後押しできるような音楽をドラマのスタッフの方々と相談しながら作っていきました」と語る川井。
最後に視聴者へ「音楽を通じて当時の大阪の雰囲気を、ぜひお楽しみいただけたらと思います」とメッセージを送った。(ザテレビジョン)
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福子(安藤サクラ)とその夫・萬平(長谷川博己)の成功物語で、インスタントラーメンを生み出した実業家である安藤百福氏と妻・仁子氏の半生をモデルに、戦前から高度経済成長期にかけての激動の時代を舞台に、たくましく生きる夫婦の姿を描いている本作。
SNSでは、明朗快活でかわいらしい福子やちょっと変わり者ながら誠実で純粋な萬平、さらには“白馬の王子様”な牧善之介(浜野謙太)、“野呂缶”の野呂幸吉(藤山扇治郎)、福子の姉・咲(内田有紀)、「武家の娘」な福子の母・鈴(松坂慶子)など個性豊かな登場人物や昭和初期の大阪を見事に表現したセットなどが話題に。
そんな「まんぷく」の世界感を“音”で支えているのが、音楽を担当している川井憲次だ。“朝ドラ”について「ちょっと昔の日本の、懐かしさを感じさせてくれるイメージです。時代の中で一生懸命生きている人々が描かれ、そこに視聴者は共感する――そんなイメージが強いです」という川井が、作曲の際に心がけていることや制作の裏側を明かした。
川井は、本作の音楽を務めることが決まった時のことを「『梅ちゃん先生』(2012年、NHK総合ほか)の時もそうだったのですが、『本当に僕でいいのかな』と思いました」と振り返り、「“朝ドラ”といっても、作品によってテーマは違うので、2回目という意識は特にありません。ただ、大河ドラマ『花燃ゆ』(2015年、NHK総合ほか)でご一緒したチームだったので、意思の疎通がすでにとれているから、入りやすかったですね」と語る。
また、「最初に3週分の台本を読んで、萬平の、何か物を作り出す人が持っている前に進む力強さと、そういう人に力を貸してくれるまわりの人々のエネルギー、そして、萬平を支える福子の健気さ、かわいさなどが伝わってきました」と語り、「それで、まず、『福子のテーマ』(仮)と『萬平のテーマ』(仮)を、自分なりに作って、最初の打合せに持って行ったんです。幸い、スタッフの皆さんにも気に入ってもらえて、方向性が見え始めました。作曲時に見たテストテイク(映像)からは、安藤さんの個性的な印象と、福子の強さ、萬平のちょっと変わり者なところなどが、感じられました。コミカルさもあり、たぶん、二人のドタバタもありそうだなと思い、そのあたりも音楽に盛り込んでいきました」と作曲の裏側を明かした。
さらに、「最初の打合せで、音楽全体のキーワードとして明治末期に開業した遊園地の『新世界ルナパーク』という言葉が出てきました。実際にパークがあったのは大正時代で、ドラマの昭和時代とはズレがあるのですが、それはそれとして、かつての日本人が抱いていた欧米への憧れと、華やかな大阪ならではのパワフル感、そこに息づく日本人のDNAなどを音楽で表現できないかと。それにはジャズがいいね、という話も出ました。
ただし、あくまでも日本人のDNAを感じさせるジャズです。さらにそこに、大阪のコテコテ感もプラスしていきたいということで、打ち合わせ直後にかつてルナパークのシンボルだった通天閣に行ってみたんです。その情緒感をたよりに『メインテーマ』は、洋風でありながら、メロディーは完全に和風の曲に仕上げました。エネルギッシュでバタ臭い、でもどこか郷愁を感じさせる曲がいいなと思って。僕は大阪の暖かさやパワフル感は大好きで、それをいかに表現するかのヒントを通天閣からいただいたような気がします」と作曲の際に心がけていることなどを語った。
そして、「『福子のテーマ』は、バイオリンのソロで、女性らしい芯の強さを表現し、『萬平のテーマ』は、常に遠くを見て前へ進んで行く萬平の生き方を表現してみました。特にちょっと変わり者の萬平の“飛んじゃってる”ところも、ホルンなどブラス系を加えて突き進んでいく感を出してみました。
今回、特に全体的に悩んだのは、情緒を持たせつつ、いかに明るくしていくか、ということでした。しかも元気さも感じられる音楽にしたいわけですが、その3つはベクトルがそれぞれ異なります。ただ無難に鳴っている音楽ではなく、萬平や福子を積極的に後押しできるような音楽をドラマのスタッフの方々と相談しながら作っていきました」と語る川井。
最後に視聴者へ「音楽を通じて当時の大阪の雰囲気を、ぜひお楽しみいただけたらと思います」とメッセージを送った。(ザテレビジョン)
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